上野 大統領

どうも不完全燃焼だったので、アメ横まで足を伸ばす。随分昔々の中学生の頃、当時流行っていた内側の色が緑かオレンジ色で外は黒のMA-1を買いに中田商店を訪れたときに前を通り過ぎたものの、当時は一生行くこともないのだろうかと思っていた、アメ横内のガード下にあるもつ焼きの店「大統領」を目指す。ここは立ち呑みの店ではないのだが、古き良き大衆酒場の雰囲気を残す良店である。ここはどうにもこうにも一見さんには入りづらいオーラが全開で、前々から気にはなっていたものの敬遠してきた経緯がある。オッサンになった今でもやや躊躇はしたのだが、意を決してカウンタに飛び込む。まずは瓶ビール(キリン・ラガー)とカウンタの目の前でぐつぐつと煮えている煮込みを注文。肉は馬であるらしい。いこいの煮込みと比べると数倍程にみえるほど、かなり大量に盛られる。400円。案の定非常に美味い。
カウンタの中では4人の男が見事な連携で仕事を切り盛りする。ロードバランシング、ジョブスケジューリングともにそれだけで一見の価値がある。ここではやはりモツを食わないとと思い、モツ焼き5本のセットを注文。450円だから1本100円を切っている。モツ道初心者には、ちゃんとした見分けがつかなかったのだが、おそらくシロ、カシラ、レバ、ハツが入っていた。もう1本はよくわからず。それが一番うまかったのだけど…
ここは「いこい」とも通じる、懐の広さを感じた。そして、客と店員は決して馴れ合うことなく、ほどよい緊張感で、しかし常連客とは粋なコミュニケーションがさり気なく交わされるようなとても良い雰囲気を感じた。
煮込み420円、瓶ビール580円、牛ハラミ400円、もつ焼き450円、熱燗240円 合計2090円
あれ、支払いは50円安かったな。