山谷 立ち飲みコーナー

隣の南千住駅で降り、駅員さんに聞いた道なりに進んでいくとあしたのジョーの舞台としても知られる泪橋(交差点)に到着する。かの伝説の立ち飲み屋、「世界本店」の跡地でもある。閉店前に訪問できなかったことが残念である。しばらく辺りを散策した。2000円前後の宿泊施設が立ち並ぶ。カラーテレビ有り、個室有り、等の売り文句が各施設の入り口に貼られている。友人はあいりん地区で寝泊りしたこともある猛者なのだが、その彼をしても殺伐とした雰囲気にちょっとビビッたらしい。しばらく路地を歩いていくと、とある場所に立ち飲みコーナーが開けているのを発見。有楽町駅ガード下にもあるアレである。そこは8畳ほどのスペースにコップ酒やパック酒などの自動販売機が所狭しと並べられ、真ん中に申し訳程度のテーブルが設置されているだけの簡易な立ち飲みスペースである。自動販売機から発せられる光と、天井からぶらさがる蛍光灯が店内を煌々と照らす。辺りの暗がりとは対照的であり、なぜか店内よりも店外の暗がりの道端で飲んでいる人の方が多い。客層はもちろん日雇い労働者の人々である。かなり高齢の方が多い。みなさんどこぞより買ってきた豆腐をつまみにしていた。勇気を出して店内に入り込み、200円の大関パック酒を買い、テーブルの奥の方でぐっと呑んだ。しばらく酒を酌み交わしつつ、話を続けた。立ち飲んでしまえば妙に居心地が良い。帰りにこっそり携帯で写真を撮ったのだが、ピロリーんと音がしたせいか気がつかれてしまい、店の前で車座で飲んでいたオッサンに「写真撮ってんじゃねーぞ、ゴルア!」とお叱りを受けてしまった。その後も散策を続けたのだが、これまたディープ過ぎで絶対に入れないようなオープンテラスの立ち飲み屋をみつけてしまった。が、さすがにそこはパスしてしまった。そこに平気で入れるようになるには乗り越えるべき(あるいは乗り越えてはいけない?)壁が色々とある。